滲み透る美味しさ
オレンジワインとは
白ぶどうを皮と一緒に漬け込んだワイン
果汁を皮や種と一緒に漬け込むことで抽出される色素やエキスが染み込んでオレンジ色となることでオレンジワインと呼ばれています。右の図の一番左のラインが、オレンジワインの造る手順の概念図です。皮や種から抽出されるエキスはポリフェーノール(抗酸化物質)たっぷりで白ワインに比べて味わいも濃く、渋みも白ワインに比べてしっかりとして旨味をぎゅっと感じるワインです。原点はジョージア。紀元前の古代人は収穫したぶどうをクヴェヴリ(アンフォラ)というカメ壺の中にその果汁と一緒に皮や種を入れ漬け込んでワインを作ったのがはじまり。現地ではアンバーワインと呼びます。
オレンジワインはイタリアの北部、フリウリ・ベネチア・ジュリア州(フリウリ)でも古くから作られており、世界的に有名なオレンジワインを数多く出荷しています。現地では、ヴィーノビアンコマセラート(Vino bianco macerato)と呼ばれ、果汁と皮や種と一緒に醸して作ります。
オレンジワインが注目され人気急増の理由
01.
自然の抗酸化力がいっぱい
皮や種から出るポリフェノールやカテキン、タンニンなどで抗酸化作用がしっかり含まれ、白ワインより亜硫酸塩を使わず醸造できるようになる。そのため、美容と健康に嬉しい成分が含まれているのです。
02.
造り手の哲学を
オレンジワインが生まれた背景には、自然の生命力と恵みを最大限取り込んでワインを完成させていく。いかに自然に逆らわず、自然環境とともに生き、それを破壊することなく、持続的な生産を続ける。
03.
幅広い料理とペアリング
そもそも白ワインに合う料理との相性はとてもよい。赤ワインと同様に多くの抗酸化物質(ポリフェノール)も含まれており赤ワインのように脂っこい肉料理などとの相性もよい。さらに中華料理や日本料理などアジアの出汁系、発酵系の料理との相性も素晴らしい。
04.
ユネスコの無形文化遺産
ロシア時代に抹殺されたジョージアのワイン文化が1991年、その支配が崩壊し、昔ながらのクヴェヴリを使った伝統的なワイン造りが復活し、2013年12月にユネスコ世界文化遺産(人類の無形文化遺産部門)に登録され、世界中の注目を浴びた。
味の特徴
オレンジワインは、白ぶどうを使っているので基本的には白ワインに近い味わいです。ぶどうの皮や種に含まれているポリフェノールが多く 抽出されているので、通常の白ワインに比べてタンニンがしっかりしていて渋みや厚みのあるボディのものが多いです。紅茶っぽいやアプリコットのようなスモーキーで濃い果実味が特徴的です。
オレンジワイン流行の経緯
イタリア発、赤ワインの同じ方法で白ぶどうで作ったワインを『オレンジワイン』とイギリスのインポータが呼んだのが始まりのようだ。 2004年頃のはなしである。その後、オレンジワインの外観の美しさや個性的な味わいにメディアが注目。ヴォーグなどファッション誌に取り上げられ、ロンドン、ニューヨーク、パリなどのスタイリッシュなワインバーで急速に広がり始めた。イタリアのグラヴネル、ラディコン、スカークなどイタリア北部の醸造家のオレンジワインの人気が沸騰し、現在に至っている。ジョージアのオレンジワインも紹介されていたが日本ではジョージアのオレンジが紹介されてるようになったのはここ2、3年のことである。
ソ連に封印されていたジョージアのアーバンワイン
アンバーワインは20世紀初頭(1920年頃)からソビエト連邦の支配下でずっと封印されていた。1991年、ソ連の支配から開放され新しい国のワイン産業として復活した。アンバーワインが注目をあびるようになったのはかなり最近のこと。2008年に世界的なスローフード協会のプロジェクトで認定され、2013年にユネスコも世界文化遺産にクヴェヴリ醸造が登録されたのがエポックとなった。
参照記事 Vogue